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　Terra Incognita（テラ インコグニタ、未詳の土地という意味）とは古代の地図の中で、未だ詳しいことがわからず明らかにされていない土地に記された言葉。今Google Mapを開いてそのような言葉を探しても見つからないであろう。地球の隅々までまるで知っているかのように土地を見た気になれるのである。

　私は益子という土地に生活の場を移し、地図を書くような気分で土地を見る。その土地の流れを時間をかけて感じてゆく。空気の流れ、匂い、人の動き、ゆっくりと移り行く時代の流れ、いろいろな流れがあるのだろうか。自分の中の未詳の土地は大切な空白地帯であり、彷徨いながら地図を少しずつ描くように歩いてゆく。